アリスティアと美優の対立激化だけれども。
だんだんルブリスが気の毒になってきた。
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捨てられた皇妃【第115話】
アリスティアの敗北感
美優を受け入れる先を、美優自身が決める。
美優が選んだのは、ゼナ公爵家でした。
次の議題は、次期皇后について。
この議案は翌日に話し合うことに。
強い決意を持って臨んだはずのアリスティアでしたが、残ったものは自分の浅はかさへの後悔。
美優を皇帝派に引き入れ、アリスティアは皇后の座を退きモニーク公爵家を継ぐ。
描いていたストーリーは何一つ叶わず、母親ジェレミアの出自の謎による打撃を受けただけ。
美優が来た時の対策を何一つ考えずにここまで来てしまったことに、ただ自分を責めるのでした。
ルブリスの苦悩
ルブリスの様子には、美優に心を奪われている様子は全く見られません。
それよりも、ことあるごとにアリスティアを気にかけている様子。
きっとルブリスは、神に愛されし子として美優を尊重しながら、元々の婚約者であるアリスティアはそのまま次期皇后としてそばにいて欲しいと望んでいると思います。
立場や他の貴族たちの手前、それをまだ公言できないだけで。
しかし、会議の流れからすんなりと決着しそうにないと、アリスティアと同じようにルブリスも苦悩していました。
折しもその日の夕刻は、川に花流しを行う祭りの日。
息抜きに川岸に出向いたルブリスは、同じくエンテアたちと川に来ていたアリスティアの姿を見つけます。
川に挟まれて両側にたたずむ二人。
今は会いたくないのにとふらついたアリスティアをエンテアが支えます。
対岸にいるルブリスは、何もできず見守るだけ。
でもギュッと握ったこぶしには、強い決意が感じられました。
ルブリスの決意
翌日の会議。
皇帝が下した決定は、美優を次期皇后に、アリスティアを次期皇妃にというものでした。
しかし、ルブリスはそれに否を唱えます。
同意できないと。
・・・・・
皇帝陛下もあんなにアリスティアを可愛がっておきながら、なんでそうなるの?ってめちゃ疑問です。
血筋と言うなら、美優も公爵家の養女になっただけで元はわからないじゃないですか。
しかも、いきなり美優を次期皇后なんて。
神殿とは対立していながら、こういう時はお告げの子だからと受け入れちゃうの?
お告げを聞くことができるアリスティアより、神聖力を持っている美優が上というならわからなくもないけど。
皇帝はやっぱりルブリスに愛情というよりは政治のコマとしか見ていないのでしょうか。
まあ、小説版を読めばこの辺りの経緯がもっと詳しく描かれているのかもしれないけど。
なんだか最近、ルブリスが気の毒に思えてきたのですよね。
アリスティアと美優は、前世の記憶を持ち同じ轍は踏むまいと考え立ち回っている。
ルブリスは前世は愛を知らない寂しい人ゆえに美優を選び、今世では愛を見つけアリスティアにそばにいて欲しがってる。
でも、皇太子という立場から自分の気持ちで動くこともできず、結局アリスティアや美優、皇帝の我欲に振り回されているだけに見えてしまう。
だから、アリスティアや美優だけじゃなく、ルブリスにも自分の納得のいく人生を選んで欲しいから、がんばれと応援したくなってしまったのです。
かと言って、ルブリスがそう言うなら・・・とあっさり解決するわけないので、まだまだ困難な道のりが続くとは思いますが。
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