今回は、とにかくアレンディス。
嗚呼、アレンディスって感じです。
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捨てられた皇妃【第108話】
アレンディスの知った事実
カルセインから刺客はアリスティアを狙っていたと知り、ゼナ公爵を問い詰めるアレンディス。
アレンディスは神に選ばれし子になんてことをしたのかと責めますが、神託など形式的なものにすぎないとゼナ公爵は軽くあしらいます。
モニーク一族だけは何がなんでも消すと言うゼナ公爵。
モニーク家の存在が邪魔でしかたないのですね。
そして、モニーク侯爵を失脚させるために手を組んだのだから、今更手を引けると思うなと。
あの刺客が貴族派が送り込んだものという確たる証拠はないのかな。
それがない限り、ルブリスたちは分かっていてもゼナ公爵に手出しはできない。
今回は失敗したけれど、それほど焦っていないということは、これからも何が起こるか分からない。
少しずつ蠢いていたものが、一気に動き出しそうな雰囲気になってきました。
アレンディスは、自分のせいだと苦悩します。
まさかアリスティアの命まで狙うとは思ってなかったのでしょうね。
ただ、アリスティアを手に入れたいだけだったのに、そのことに囚われすぎて逆にアリスティアを危険に晒すことになってしまったことを悔いるアレンディス。
アリスティアを守るために、アレンディスにできることはなんなのか。
知らず知らずのうちに守られていたアリスティア
密かに護衛が付いていたのはルブリスの指示だったと知るアリスティア。
さらに、襲撃はアリスティアを狙ったものだったとハレンから聞き、衝撃を受けます。
それが事実なら、カルセインもフェデン卿もアリスティアと一緒にいたために危険な目に遭ったということ。
その衝撃は大きいと思います。
ゼナ公爵とはいろいろ衝突してきたけれど、命を狙われているとまでは考えていなかったから。
ルブリスはどこまで知っていた、もしくは予想していたのかな。
建国祭でアリスティアが貴族派の密会に遭遇した時にシーモア卿が近くにいたことや、模擬戦闘の時に参加していなかったところは、アリスティアを護衛しているんだなとわかりました。
でも、ルブリスがアリスティアを執務室に呼んで「何か変わったことはないか」と聞いていたのも、それがらみだったのは気付きませんでした。
実はずっとルブリスに守られていたのですね。
アレンディスの決意
ひとりアリスティアの幻に語りかけるアレンディスが切なすぎて泣けそうです。
虚な目をしてアレンディスが決意したことは、なんなのか。
次の日、アレンディスは皇帝陛下とルブリスに内密に話がしたいと謁見していました。
そして、ルア王国への使節団が出発する日。
使節団の中に、アレンディスの姿がありました。
アレンディスに声をかけるカルセイン。
アレンディスは、行政府を辞めた上で使節団に同行することになったようです。
アレンディスに、「フラれたんだろ?」と問いかけるカルセイン。
「おまえの脳みそでも計算できないことってあるんだな」と言うカルセインに、「君だって今みたいにつきまとってるだけじゃ一生かかっても先に進めないぞ」と返すアレンディス。
なんだかんだ言いながら、この二人もいい友人だったのに。。。
アレンディスは、もう必要ないからもらってくれと、自分の剣をカルセインに渡します。
ここで、カルセインはまさか・・・とアレンディスを問い詰めようとするのですが、そこにアリスティアがやってきました。
「アレン!」と。
「ホントに行っちゃうの?」と問うアリスティアに、「僕がいなくても元気でね」と返すアレンディス。
体が弱いのだから労るように言うアレンディスに、アリスティアは任務が終わったら帰ってくるのよね?と詰め寄ります。
アレンディスがアリスティアに言ったこと。
君が僕と同じ気持ちじゃなくても、僕の心のレディーはこれからもずっと君だ
それだけは許してよ、ティア
そう言って、アレンディスは旅立って行きました。
これからも君を想い続けたい
君の幸せを、これからも君の傍にいる人たちに託して僕は行くよ
と・・・
アレンディスがルブリスに告げたこと
アレンディスは、本当にもう戻らないつもりなのでしょうか。
ひとつ気になるのは、皇帝陛下とルブリスがアレンディスに命じたこと。
アレンディスは、皇帝陛下とルブリスに貴族派に情報を流していたことなどすべてを打ち明けていました。
それこそ命で償う覚悟で。
自分のしたことで危険に晒されているアリスティアを助けてほしいと懇願するために。
アリスティアを守るため。
包み隠さず告げるアレンディスに命じられたのは、貴族派に嘘の情報を流すこと。
そしてもうひとつ。
このもうひとつ命じられたことが何かは、書かれていませんでした。
それが国外追放なのか。
それとも別の何かを命じられたのか。
どちらかというと後者であってほしいのですが、アレンディスの態度からすると表向きは使節団に同行でも実質的な国外追放なのかも。
いつかまた会える日が来ると信じたいです。
ただ、ゼナ公爵がこのまま黙っているわけがないので、矢継ぎ早にアリスティアに何かを仕掛けてくるか、まさかアレンディスの命を狙ったりしないよねとか、不安もたくさん含んだまま次回へ。
前世ではアレンディスは、行政府でたくさんの施作を発案し天才としてその名を馳せたんですよね。
しかし、今回はまったく違う人生になってしまった。
アリスティアは自分の人生だけでなく、多くの人の人生が変わってしまったことも受け入れなければならなくなりますね。
アリスティアはどこまでそれをひとりで抱えていかなければならないのか。
それにも何か答えが出るのか気になります。
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