薬屋のひとりごと第7巻/感想ネタバレ

「薬屋のひとりごと」は原作ノベルと2種類のコミカライズがあって、それぞれが現在進行系なのでちょっとややこしいですが。

こちらはコミックス「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳」の第7巻の感想になります。

ネタバレありです。

本巻の目次は
「第二十七話 青薔薇」
「第二十八話 爪紅」
「第二十九話 鳳仙花と片喰」

第6巻までは任氏の依頼で猫猫が謎を解くという形でストーリーが進んできたけど、この第7巻はちょっと様子が違って、猫猫自身の謎が明かされる回になってますね。 

青薔薇
玉葉妃の第二子懐妊によって、任氏付きから玉葉妃の侍女に貸し出されるというかたちで翡翠宮に戻った猫猫。

前巻の任氏を狙った事件で足を怪我したこともあって、玉葉妃の公主(長女姫)の遊び相手が主な仕事で穏やかな日々を送っていても、結局任氏が難題を持ち込むんですよね。

そうじゃないと話が進まないんだけど。

今回は園遊会で青薔薇を愛でたいと言われて、猫猫に相談にきた任氏さま。

でも、自然に咲く薔薇に純粋な青い色は絶対あり得ないんですよ。

そもそも青色に咲く花の種類はとても少なくて、どれも草花や実もの。

薔薇やガーベラ、百合とか普通に一輪咲する花で青はほぼ存在しないんです。

何年も前にある会社が青薔薇を開発したと発表していたけど、それも見ようによっては紫色。

青と紫は隣り合う色だから、青色ともとれるけど純粋な青ではない。

真っ青な薔薇が存在しないわけではないけど、どういう理由かというと、白い薔薇に青の色素を吸わせて色付けしてるんです。

薔薇だけじゃなくて、ほかの花でもできる方法ですが。

今回、猫猫はこの手法で青薔薇を作成するのですが、もう一つの問題がバラの咲く時期。

日本ではバラの最盛期が5月と10月から11月頃。

園遊会が催されるのが3月で、この話をしているのが2月。

今はハウス栽培がほとんどなので切花の薔薇は年中手に入るけど、作中の時代はそんなものあるわけない。

当然時期が違うとなるのだけど、猫猫は以前に梨花妃のために作ってもらったサウナを使って薔薇の生育を管理することで咲かせようとするんです。

私は花関係の職業でこの辺りの知識はあるので、猫猫がどうやって青薔薇を作るのかという点につい注目してしまいました。

この章は次とその次の章への序章となるので目立った出来事は起きないけど、いよいよこの先の大事件の鍵となる楼蘭妃とその父親が出てきたので、この先の展開に期待の高まる章でした。

そして猫猫にとって青薔薇を作ること以外に、もうひとつ片付けなければならないこと。

軍師羅漢との対決。

爪紅

爪紅とはマニキュアのこと。

紅を爪に乗せて布で拭うと爪に色がつくんですね。

園遊会には爪を紅で鮮やかに染めた梨花たちが、皇帝から薔薇を賜ります。

その爪先を見て、もっときれいに染まる爪紅を思い起こす羅漢。

鳳仙花と片喰を使うと、鮮やかではなくうっすらとした紅色に染まるとか。

羅漢がその記憶をより一層強く呼び覚ますように、梨花やその侍女に広めたのもそれを狙ってのことかそれとも単なる思いつきなのか。

どちらとも捉えられるけど、羅漢との対面に鳳仙花と片喰の爪紅で現れた猫猫。

前巻までの展開で、羅漢が猫猫の父親で母親は緑青館の妓女であろうことはほぼ確定だったけど、では猫猫は羅漢に将棋で勝負を挑み何を望むのか。

猫猫の戦略に負けた羅漢は賭けの代償として緑青館の妓女を一人身請けすることになるけれど、猫猫は本当はどちらの結果を強く望んでいたのかなと思います。

それにしても、任氏さまったら。

そりゃ、羅漢が猫猫の実の父親と知らなかったのだから、将棋に猫猫が負けた場合の代償が「羅漢のうちの子になる」というのを猫猫が羅漢に嫁ぐ?身請けされる?と誤解したのもしょうがないかもだけど。

冷静な猫猫に比べてハラハラ慌てる任氏さまに、によによしちゃいます。

そして羅漢と猫猫の母親との出会い。

鳳仙花と片喰

 人の顔が見分けられない羅漢。

誰の顔も特徴のない碁石のよう。

羅漢にとって敬愛する叔父と愛娘の猫猫の顔はわかるということは、 自分にとって無二の存在となる人しか認識できないということなのかな。

猫猫の母親の鳳仙も羅漢にとって無二の存在になったから、はっきりと見えた。

初めてはっきり認識できた人の顔。

それが女で、自分を負かした女性で、だからのめり込んだ。

でも羅漢にはそれまでそういう経験がなかったから、考えも及ばなかったんですね。

鳳仙が何を考えていたのか。

鳳仙の元ですべてを見続け、猫猫を母のように育てた梅梅(メイメイ)にはすべてわかっていて、羅漢が正しく誰かを選べるよう、ほんの少しのお膳立てをしたんですね。

羅漢はやっと愛しい人を取り戻した。

鳳仙は病に冒され先も短いだろうけど、なんとか間に合ったということかな。

そこで猫猫は本当はどちらの結果を望んでいたのか。となるのですが。

何度も緑青館を訪れては叩き出される羅漢に、唯一優しく接した梅梅。

猫猫にとって母のような姉のような存在の梅梅を身請けして幸せにして欲しかったのか、そうは言いながら母を見つけて選んでくれることをどこかで望んでいたのか。

でも羅漢は梅梅に心を許していたかもしれないけど、愛して探し求めていたのは鳳仙だから、やっぱり鳳仙じゃなければだめだったんじゃないかな。

悲恋の末のベターエンド。

そして猫猫が心のうちに秘める羅漢への感情。

養父が羅漢の才能を認めていることへの嫉妬だったのですね。

猫猫にとっては実父より養父だから。

その後、猫猫のもとに届いたあるものと羅漢が妓女を法外な金額で身請けしたという噂。

後宮の塀の上に立つ踊り子とそれを見つめる任氏。

次巻は身請け話の終話から、次への展開へと進んでいきますね。

いよいよ物語が大きく動き始めるところまでいくのかな。 

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